大学院に通って免除をもらう その1.概要編
はじめに
自己紹介でも書いてありますが、私は大学院で税法の論文を書いているため、税理士試験の科目免除を持っています(正確に言えば資格のみ、まだ免除が決定されたわけではない)。
先日ここの読者の方から免除についての詳細が知りたいとリクエストのメールを頂いたため、ちょっと詳しく書いていきたいと思います。
院免とは
税理士試験は一般的に、5科目の試験に合格して税理士の資格がもらえるのですが、大学院に行くと一定の試験科目が免除になります。
・会計系の大学院に行けば会計科目1科目(簿財どちらか)が免除
または
・税法系の大学院に行けば税法科目2科目(なんでも)が免除
となります。
税理士受験界で「ダブルマスター」と呼ばれるお金持ちの人は、会計系、税法系それぞれの大学院に通い、合計3科目が免除となるので簿財どちらか+ミニ税法1科目のみで税理士の資格を得ることができます。
LECの大学院のページに詳しい説明が書いてありました。
一部科目免除申請対応|LEC会計大学院について|LEC会計大学院 -LEC GRADUATE SCHOOL OF ACCOUNTING-
上記サイトでも書いてあるように、国税審議会へ科目免除の申請を出すためには、大学院を卒業しても、税法なら税法に1科目合格していなければなりません。
私は現状簿記論しか科目合格を持っていないので、まだ申請を出せないのです。
税法免除なら
税法免除なら2科目免除がもらえるため、ボリュームの多い法人税も所得税も受験する必要がありません。
家の事情等で一刻もはやく税理士の資格が欲しい友人の多くは「酒税法」「国税徴収法」などのボリュームがとても少ない科目に限定して勉強していました。
簿財+酒合格で税法大学院、簿記+酒合格でダブルマスターで、税理士になれてしまうのです。
デメリットもあるよ。
院免で税理士になると少なからずデメリットもあります。
1. 学費がかかる
当たり前ですが、学費がかかります。わたしの行ったところは年間160万円弱。1年目は入学金が+20万円でした。
おそらくここが日本の中でも学費が高い方だと思うので、探せばもっと安いところはあると思いますが、大原やTAC等の塾の学費に比べたら断然高いです。
また、論文を書くのに様々な参考文献が必要なのでその教科書代、また通常の授業で使う教科書も結構かかったと思います。
細かく言うと学校までの交通費もかかってきますね。
2. 税理士業界で就職に響く(と言われている。)
やはり院免は楽してきた、知識が足りないと思われがちなので、法人への就職に響くと言われています。
特にタブルマスターだとあまり就職口がないと言われており、両親の税理士事務所を継がなければならない等、特殊な場合にしか選択する人はいないです。
大手事務所では、例えば1人しか採用できないときに、院免と5科目保有者がいる場合、5科目のほうを採用するような感じで、院免は差別されると言われていますが、でも、私は税理士になった友人達を見た時に、あんまり関係ないのかなぁとも思っています。
(某BIG4 では露骨に嫌な顔をされましたけどね、、)
要は、5科目保有者と同じだけの知識があればいい話。私は9月からそこそこの大手法人に就職が決まっていますが、9月から法人税の勉強をしないと周りと戦えないとは思っています。
もちろん、法人にもきちんとした社内講座を持っていて、社内で学習できる制度もあるようですが、場合によっては塾のコースを受けるとかして、きちんと周りに引けを取らない知識をつけることが転職してからのとりあえずの目標です。
3. 時間が足りない!
いざ大学院にいくと、仕事をして、学校に行って、授業を受けて、期末にレポートを書いて、修士論文を書いて、学校の友人達と飲み会する!
これがかなり時間的に大変でした。
学校によっては私が行ったような社会人向けの大学院があって、授業は平日19時ごろから2コマ、土曜日に9時から5コマと平日仕事があっても両立できるような仕組みになっていました。
中には大学を卒業したてで院に入って、午前中は塾で税理士試験の勉強、夜は大学院で授業を受けるといった若者もいましたが、ほとんどが社会人、30中盤から40中盤が一番層が厚かったと思います。
会社のほうで融通を効かせてもらい早く帰れるように取り計らってもらったり、家庭でも土曜日まるまる1日授業(さらに終わったらみんなで飲み会)で家にいられない為、子育ての面で奥様の理解がないと家庭で険悪なムードになってしまうようです。
おわりに。
「大学院に通って免除をもらう」シリーズ第一回めは概要を書いてみました。次回はその2、「入学までの道のり編」です。
おたのしみに〜〜